「プイィ・ヒュメ」に届かず

いろいろ飲んだ美味い白ワインの中でも、私は「プイィ・ヒュメ」がどういう訳か一番気に入っている。これは単に好みの問題なのだが、あのフッと独特の香り、火打石を打った時のような匂いが何とも言えず好きだ。その産地に直接行ってみようと思ったのは、イースターの休みに自分で車を走らせロワール川沿いの古城めぐりを計画していた時で、できればついでにロワールのワインも買って来ようという考えからだった。フランスに車を乗り入れるのは初めてだが、地図をみて見てロワール川を遡って行けば一番上流にヒュメの産地があるではないかと、いとも簡単に決めてしまった。ということで、あちこち古城を見ながら、ワイナリーにもぶっつけであちこち立ち寄り、旅をしていたのだが、途中で道草を食い過ぎたようだ。結局、時間切れで本当は一番行きたかったヒュメの里までは行けなくなり、途中断念してロッテルダムに引き返さねばならなくなってしまった。フランスの田舎道は意外に簡単だと思っていたが、やはり道にも迷う。隣に座る地図が良く読めないナビゲーターと喧嘩をしながらなのでなおさら。ともかく、城をあちこち見過ぎた(だが、本来の目的はこちら)。途中のシノン城の近くのワイナリーに立ち寄った。
写真はそこの親爺と番犬のシェパードと一緒にワインセラーで。飛び込みで行ったこともあってこの番犬にはさんざん吠えられたが、こうしていると意外に大人しかった。この親爺にワインのシノン地区で展示販売をしているところを教えてもらい予定外にそこでも随分仕入れたが、そこには当然のことだがヒュメはあろうはずはない。予定外にあれもこれもと、ここでもついつい買いすぎた(?)。ともかく、この旅行は最後で時間切れということでヒュメの里まで届かなかったのは何とも情けないことだった。もっと、緻密に時間計画を立てて臨むべきだったと後悔しきりだった。しかし、ついにリベンジの旅は出来ないまま帰国することになり、心残りもあってそれ以降ヒュメが余計気になる存在になった。

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